澤和樹さん 和歌山城ホールアドバイザーに

和歌山市出身のバイオリニストで東京藝術大学前学長、名誉教授の澤和樹さん(67)が30日、和歌山城ホール(和歌山市七番丁)のアドバイザーに就任した。澤さんは同ホールの音響を評価し、音楽家が演奏したいと思うホールだとし、市民に一流の公演に接する機会を多く提供できるよう、力を尽くす考えを話した。

澤さんはバイオリニストとして国際的に活躍し、指揮者活動も精力的に展開。教育者として多くの後進を育て、2016年4月から6年間、東京藝大学長を務めた。ふるさと和歌山の音楽振興にも尽力し、メディア・アート・ホールを擁する県立図書館(同市西高松)の音楽監督などを務めている。

昨年10月にオープンした和歌山城ホールでは、開館記念特別公演として11月に「さだまさし&澤和樹 和歌山城ホール奇襲(紀州)大作戦」を開き、好評を博した。

アドバイザーの主な役割は、ホールの運営に関する助言の他、市が主催する鑑賞事業の企画・運営などに関わり、専門的な観点からアドバイスを行う。任期は24年3月31日までとなっている。

委嘱式は30日、同ホール特別会議室で行われ、指定管理者である市文化スポーツ振興財団の前寿広理事長、市の宮田真吾産業交流局長らが出席。前理事長が澤さんに委嘱状を手渡した。

澤さんは演奏者として同ホールに立った実感から、「想像以上に音響が素晴らしかった。心地良く、インスピレーションを引き立てられ、良い演奏につながる。演奏者としてありがたいホールだ」と称賛。海外を含めた演奏家の間に、「演奏したいホール」として評判が伝わっていくことを期待し、アドバイザーとして「ロケーションも含めてホールの特色を生かせるように力を尽くしたい」と述べた。

前理事長は澤さんの就任を喜び、「管理する側としても全力で取り組んでいくので、ご指導をお願いしたい」と話した。

澤さん㊨に委嘱状を手渡す前理事長

澤さん㊨に委嘱状を手渡す前理事長