調停制度100周年 地方・家庭裁判所で見学会

調停制度がことし10月で100周年を迎えるのを記念し、和歌山地方・家庭裁判所(和歌山市二番丁)は5月30日、同裁判所で「調停100周年記念クイズ&家裁見学ツアー」を実施し、約20人が参加した。

同制度は、裁判所が当事者双方の言い分を聞き、話し合いによって問題解決を図る手続き。借地借家調停法施行による「民事調停」の始まりを機に、1922年10月1日に設けられた。

クイズは主に家庭裁判所における調停制度について、〇×もしくは3択形式で9問。問題ごとに正解者には家庭裁判所広報キャラクター「かーくん」のご当地バージョンカードがプレゼントされた。

中には滞っている養育費の支払いや、離婚後別に暮らす子どもとの面会交流を求める相談を仮定したロールプレイもあり、参加者らは裁判官や裁判書記官、家庭裁判所調査官の解説を聞きながら、クイズを通して調停制度を学んでいった。

母親と一緒に参加した和歌山市の西浦力(りき)ちゃん(6)は以前、同裁判所の前を通った時に「ここは何するところ?」と疑問を持ち、「少しでも興味があるならこの機会に参加してみよう」と母子共に参加したという。力ちゃんは集まったカードに満足の様子で「クイズが楽しかった」とにっこり。

約40年前に調停制度を利用したことがあるという同市の80代の男性は、遺産相続など今後の生活のために参加したといい、「勉強になりました」と話した。

解説などを務めた山﨑岳志裁判官は「これを機に興味、関心を深めてもらえれば」と呼び掛け、参加者らは普段見られない部屋を含む裁判所内の見学ツアーや、法廷内で裁判官が着用する「法服」を着て記念撮影するなど、貴重な経験を楽しんだ。

〇×クイズに挑む参加者たち

〇×クイズに挑む参加者たち