景況判断マイナス幅縮小 財務事務所調査
近畿財務局和歌山財務事務所は13日、景気予測調査(5月15日時点)の結果を発表。県内企業の4~6月期の景況判断BSI(前期比「上昇」から「下降」を引いた指数)は2期連続でマイナスとなったが、前期のマイナス20・8から同8・0にマイナス幅が縮小した。先行きは、原材料価格の高騰や新型コロナウイルスの動向が不透明であるものの、プラスに転じている。
産業別BSIは、製造業がマイナス14・3(前期マイナス15・8)、非製造業がマイナス3・8(同マイナス23・8)といずれも上昇し、マイナス幅は縮小した。
先行き見通しは、全産業で7~9月期が6・9、10~12月期11・5で、回復が見込まれている。
規模別BSIは、大企業(資本金10億円以上)がマイナス16・7(前期16・7)に大きく悪化したが、中堅企業(1億円以上10億円未満)は0・0(前期マイナス36・1)、中小企業(1000万円以上1億円未満)はマイナス10・9(前期マイナス18・9)でいずれも上昇した。
規模別の先行き見通しは、7~9月期で大企業が16・7、中堅企業が6・9、中小企業が4・3といずれもプラスに転じている。10~12月期は、大企業が8・3に後退するが、中堅企業は13・8、中小企業は10・9にさらに上昇している。
企業からは、「引き合いはあるものの、関連会社が半導体の調達ができないことから、受注が減少している」(情報通信機械)、「円安などの影響により仕入れ価格が上昇しており、販売価格への転嫁を進めているが追いついていない」(小売)、「感染症の収束やインバウンド需要に期待している」(宿泊)などの声がある。
雇用情勢は、6月末時点の従業員数判断BSI(「不足気味」から「過剰気味」を引いた指数)が全産業で30・6(3月末時点28・3)で、「不足気味」超が拡大している。全産業の今後の見通しは、9月末が25・9、12月末が23・5となっている。
全産業でみると、2022年度の売上高は4・1%の増収、経常利益は89・4%の増益、設備投資は0・9%増の見込みとなっている。
調査は県内に本店がある資本金1000万円以上の法人(電気・ガス・水道、金融・保険業は1億円以上)を対象に実施し、87社(回収率82・1%)から回答を得た。