学校の魅力を体操で表現 鳴滝小で特別授業

和歌山市の健康運動指導士、寺田尊紀(たかのり)さん(44)は、体操で地域をつなげようと16日、同市善明寺の鳴滝小学校(吉森裕巳子校長)で、全校児童27人とオリジナルの体操をつくる取り組みを始めた。

寺田さんは21年間、同市消防局に勤務していた。現在は「背骨コンディショニング」指導者の資格を取るなどし、健康づくりの教室を開いている。今回、「地域を元気にしたい。子どもたちと地域の人がつながれば」との思いが同じであった同校と取り組みが実現した。

「鳴滝小学校のオンリーワン体操で地域をつなぐ」がテーマ。3回の授業で児童らと体操を考え、10月2日の運動会で完成した体操を披露する。1回目の授業のこの日は、近隣住民約30人も参加。児童らは四つのグループに分かれ、「先生が優しい」「みんな仲が良い」など学校のいいところや好きなところについて意見を出し合い、「給食がおいしい」をテーマにした一つの振り付けが決まった。

大きい鍋をかき混ぜるように腕を回し、口にかきこむように両手を大きく動かす振り付けや、食べて元気が出たと両腕を高く上げ、上下に動かす動作を取り入れた体操ができた。5年の田中彩心(あやみ)さん(10)は「楽しかった。次は自然がいっぱいあるのを表現してみたい」と笑顔。近所に住む岩谷愛子さん(81)は「とてもいい取り組み。子どもたちと一緒にできて、にぎやかで元気がもらえた。完成が楽しみ」と話した。寺田さんは「自分たちが作った体操は愛着が湧くはず。運動することを好きになってもらえたら」と喜んだ。

アイデアを出し合う児童たちを見守る寺田さん

アイデアを出し合う児童たちを見守る寺田さん