笑顔誘う「己書」並ぶ 釜滝薬師で作品展

筆ペンで心のままに文字を描く己書(おのれしょ)の作品展が7月3日まで、和歌山県紀美野町釜滝の釜滝薬師金剛寺(伊南慈久住職)で開かれている。

同寺は約1200年の歴史があり、古くから眼病平癒を祈願する「目の薬師さん」として信仰を集めている。

己書は、濃墨と薄墨の筆ペンを使い、円の形をした円相(えんそう)と、丸みのある文字を隙間なくパズルのように組み合わせて描いていく。

文字の書き順や書き方にとらわれることなく心のままに筆を走らせ、自分の世界観を表現するのが魅力。絵のような字のような温もりのある仕上がりになる。書道の経験がなくても、こつをつかめば誰でも味わいのある字が描けるようになるという。

作品展には300点以上が並び、住職の妻の紀世子さん(55)の作品や、紀世子さんが師範として教える日本己書道場公認「釜滝きのこ道場」の生徒、協力師範ら約40人の作品がずらり。

メッセージや愛らしい地蔵、絵の具で描かれたイラストなど、どれもカラフルで心が和むような書ばかり。紀世子さんは「描いているうちに心が開放され、笑顔になります。己書の魅力が広がっていけば」と話している。

また、境内には約400鉢のアジサイが見頃を迎えており、作品とともに楽しむことができる。アジサイの花を押し花にした限定御朱印もあり、人気を集めている。

問い合わせは同寺(℡073・489・2830)。

心癒やされるような作品と伊南紀世子師範

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