海上の油流を防げ 花王和歌山工場が訓練
化学物質を扱う和歌山市湊の花王和歌山工場は22日、南海フェリー桟橋北側と和歌山下津港和歌山第一区洋上で海上での油の流出を防ぐ「オイルフェンス展張訓練」を行った。油流出事故を想定し、情報伝達や海上へのオイルフェンスの展張など、関係機関と有事の際の対応を確認し、連携を図った。
同工場では「石油コンビナート等災害防止法」が施行された1975年から毎年訓練を実施。この日は同市中消防署の立ち会いのもと、同工場の安全防災員と、展張船の委託業者である島本海運の従業員ら14人が参加した。
訓練は、港湾作業員が工場排水口から油が流出しているのを発見したという想定のもと実施。薬種畑桟橋から防災センターに緊急連絡を行い、海上災害防止センターとホットラインで消防局に模擬の通報をした。通報を受けた同工場の中井稔安全課長が島本海運へ出動要請し、安全防災員に出動を命令。安全防災員が巻取機に設置している約500㍍のオイルフェンスを広げ、島本海運の従業員が展張船で海上へと延ばし、慎重に2地点を結び油の流出を防ぐように囲った。
指揮を執った防災担当の中井安全課長は「万が一に備え、海上漏えいを想定した訓練で基本動作を習得し、迅速に対応ができるように力量を上げることが重要。緊張感を持って訓練することができて良かった」と話していた。