最多更新の1663人 野㞍技監「大宇宙的数字」
和歌山県は3日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多の1663人(前週水曜比438人増)となり、累計7万人を超えたと発表した。和歌山市の70代男性が死亡し、県内の死者は累計140人。高齢者施設などで新たなクラスター(感染者集団)4件が発生した。県福祉保健部の野㞍孝子技監は「宇宙的な数字がさらに大宇宙的な数字になった」と危機感を表現し、爆発的な感染を止めるため、一人ひとりの予防対策を強く求めた。
亡くなった男性はクラスターとなった有料老人ホームの入所者で、陽性確認後に入院し、さらに転院のため搬送中に様態が急変した。新型コロナが間接死因となった。
新規感染者1663人の保健所管内別内訳は、和歌山市926人、海南112人、岩出130人、橋本107人、湯浅124人、御坊65人、田辺101人、新宮89人、県外9人。海南、岩出、湯浅、新宮は過去最多を更新した。
新規クラスターの場所と感染者数は、541例目が新宮管内の介護老人保健施設で入所者17人と職員6人、542例目が田辺管内の養護老人ホームで入所者18人と職員7人、543例目は橋本管内の小規模多機能型居宅介護事業所で利用者8人と職員7人、544例目は田辺管内の高校で同じ運動部の生徒6人だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比47・4人増の990・0人で、過去最多を更新。保健所管内別でも、和歌山市が1291・1人など、橋本を除く7管内が過去最多となった。
県内の感染者は累計7万92人。入院者数は386人、重症者は県基準で54人、国基準の該当者は8人、肺炎患者は65人。病床使用率は71・6%。自宅やホテルでの療養者は7410人。
野㞍技監は過去最多の新規感染者数について「想定外の数字」と述べ、今週はさらに増加の可能性があると指摘。高齢者などに感染が広がり、重症者、死者が増えている現状を食い止めるため、感染防止対策への県民の協力を呼び掛けた。