留学生と地域課題を調査 JC近畿地区協議会

近畿地区在住の語学留学生40人と日本青年会議所(日本JC)のメンバー約100人が、共同で地域の課題解決に取り組む「グローバルトレーニングスクール」が5日から7日にかけて和歌山市内で行われ、国籍を超えて交流した。

日本青年会議所近畿地区協議会は1995年から各国を訪問し、貧困地域などの支援を行ってきた。新型コロナの影響で海外に行けず、今回、初めて国内でグローバルな視点で多様な価値観を学ぼうと企画。参加者は8グループに分かれ3日間でフィールドワークなどを行い、地域課題を留学生とコミュニケーションを取りながら調査し、その解決案を最終日に発表した。テーマに「海洋ごみ問題」「国際平和」「地域観光」を取り上げた。

参加者は友ケ島や和歌浦を巡り課題と解決策を話し合った。参加したのは、ネパール、パキスタン、スリランカなどアジア圏の留学生。

言葉の壁は翻訳アプリとボディランゲージで乗り越えていた。

海洋ごみ問題については、友ケ島の周辺にプラスチックごみが流されてきていたのを見て、「環境を壊しているのは普段自分たちが使っているもの。同じ日、時間に全国一斉に掃除をする日をつくって意識を高めてみてはどうか」という意見が発表された。

友ケ島の砲台跡を視察したスリランカの留学生は「争いが起きる諸悪の根源は経済の破綻。経済が安定すれば平和になる」と発表した。

地域観光については「和歌浦を巡り、どこも素晴らしい場所だったが、どこも観光客が少ない。多言語での案内を増やすなど国際化が必要。片男波でビーチフェスを開催し、全国から人を集めてはどうか」と提案があった。スリランカからの留学生ディヌ君(23)は「和歌山は自然がいっぱいで非常に良い所だった。みんな友達として接してくれていろいろ教えてくれてうれしかった。いっぱい勉強できた」と笑顔。

グローバル人財育成委員会の武内淳委員長は「国籍、国境を超えてフラットな目線で交流でき、地球はひとつだと実感できた。最初はコミュニケーションが難しい場面もあったが一緒に考え、行動することで絆ができた」と満足した表情を見せた。

 

調査したテーマを発表する参加者