過去最多1686人 県内初ケンタウロス株疑い
和歌山県は8日、新型コロナウイルスの新規感染者が過去最多の1686人(前週月曜比847人増)となり、70~90代の7人の死亡が確認されたと発表した。オミクロン株の新たな変異系統「BA・2・75」(通称ケンタウロス)が疑われる例が県内で初めて見つかり、高齢者施設や病院などで新規クラスター(感染者集団)5件を認定した。
新規感染者数の増加は、症状などを感染者が自らウェブフォームに入力するシステムに切り替えたことで、計上が早まった影響があるとみられ、県は今週の推移を見る必要があるとしている。保健所管内別内訳は、和歌山市785人、海南138人、岩出170人、橋本117人、湯浅122人、御坊51人、田辺236人、新宮67人。海南は過去最多を更新した。
亡くなったのは和歌山市の90代男性2人、70代男性、80代女性、新宮管内の70代男性、90代女性、田辺管内の80代女性の7人で、新型コロナが直接死因となったのが3人、間接死因が4人。県内の死者は累計154人となった。
ケンタウロス株は、従来株よりも免疫をすり抜ける力が強いとみられ、インドなどで感染が拡大している。県内初の疑い例は和歌山市衛生研究所の抽出調査で見つかり、県がゲノム解析による確定検査を行う。
新規クラスターの場所と感染者数は、560例目が和歌山市の県立医科大学付属病院で入院患者7人と職員2人、561例目が同市の病院で入院患者66人と職員1人、562例目は田辺管内の特別養護老人ホームで入所者4人と職員4人、ショートステイ利用者1人、563例目は新宮管内の有料老人ホームで入所者5人と職員1人、564例目は海南管内の障害者支援施設で入所者10人と職員3人だった。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、県全体が前日比91・7人増の1164・4人で過去最多を更新。保健所管内別でも和歌山市と御坊を除く6管内が過去最多となった。
県内の感染者は累計7万7778人。入院者数は395人、重症者は県基準で過去最多の70人、国基準の該当者は4人、肺炎患者は101人。病床使用率は73・1%。自宅やホテルでの療養者は1万227人。
県福祉保健部の野㞍孝子技監は、病床の受け入れがほぼ限界となっている上、介護が必要な陽性者、救急搬送による入院が増えているとし、県民の命を守るための医療体制を崩壊させないために、県民一人ひとりの感染予防対策の徹底を繰り返し呼び掛けた。