特殊詐欺未然に防ぐ 紀陽銀行2人に感謝状
特殊詐欺被害を未然に防いだとして海南署は8日、紀陽銀行海南東支店(海南市阪井)の業務課長の二澤健さん(55)と、窓口担当の野田芙美枝さん(25)に感謝状を贈った。
同署によると、7月26日午前10時半ごろ来店した60代の男性が窓口担当の野田さんに「ウクライナの友人が3億円をくれる。手数料が必要だ」と相談。詐欺かもしれないと疑い、直ちに上司の二澤さんに報告。二澤さんが男性から詳しく話を聞くと、「フェイスブックを通じて知り合った友人から、ウクライナが混乱しているので日本に移りたい。3億円の遺産を日本に送りたいから受け取ってくれないか」と連絡があった」と話したという。また「(実業家の)前澤友作さんの600万ドルが当選したから受け取る手数料も必要」と話したことから、約3年前に特殊詐欺を見破った経験から、特殊詐欺に間違いないと確信し、海南署に通報。被害を未然に防いだ。
同署で行われた贈呈式では、森本仁署長が2人に感謝状を手渡した。
二澤さんは「こういうケースは多いので、『よくやった』ではなく普通のこと。男性客が素直に話を聞き、説得に応じてくれたので詐欺を止めることができた」、入行4年目の野田さんは「初めて詐欺を止められて良かった」と話した。
県警では「当選金の手数料を払え」という料金請求だけでなく、「キャッシュカードを渡せ」「保険料を還付する」「電子マネーを買って番号を送れ」などの電話があれば、県警が開設している特殊詐欺被害防止専用フリーダイヤル「かけて損なしちょっと確認電話」(0120・508・878)で確認するよう呼び掛けている。