ローイングクラブ 全国中学ボートで準優勝
7月23~24日に宮城県で開かれた「第42回全日本中学選手権競漕(きょうそう)大会」で、和歌山ローイングクラブ(和歌山市湊)のジュニアチームが女子・舵手(だしゅ)付きクォドルプル(4人乗り)の種目で3分48秒17を記録し、準優勝を果たした。同種目での準優勝は、同クラブで最高順位。堅田哲也監督(65)は「精いっぱい持っている力を出し切った。100点満点」とチームをたたえた。
同種目はこぎ手4人と、リズムを指示したり方向を定めたりする舵手1人の計5人がボートに乗り込み、直線1000㍍のタイムを競う。0コンマ1秒を競り合うスピード感が見どころの一つで、ボート競技の中で最もスピードが出るとされる。
メンバーは松田日子(にこ)さん(和大付属中)、村上葉留さん(伏虎義務教育学校)、巽丹乃(にいの)さん(河北中)、吉村美紅さん(貴志中)、竹中璃乃さん(伏虎義務教育学校)の5人で、全員3年の同級生。
1年時からチームを組み、昨年の同大会では、メダルにあと一歩届かず4位に入賞している。今大会は堅田監督をはじめ、現役の国体選手の早川源太郎さんと、同クラブのジュニアチームの1期生でシングルスカルの種目で優勝経験を持つ、木下弥桜(みお)さんがコーチに加わり、全員で一丸となって「日本一」を目指してきた。
学校ごとにテスト期間が異なるため、5~6月はなかなかチーム練習ができず〝戦闘モード〟に入ったのは7月に入ってから。週4日、一日3時間の練習では往復12㌔を超える距離を漕ぎ、動画を撮って動きを分析しながらミーティングを重ね、目標を一(いつ)にチーム力を高めてきた。
迎えた今大会は、予選を1位、準決勝を2位で通過。決勝には8艇が出場し、追い風が吹く中、優勝した愛知県のチームを約2秒差で追い掛ける展開。練習で身に付けた持久力で一度は追いついたがラストでまた離され、1位の3分46秒21にあと一歩及ばなかった。
堅田監督は「相手がより強かったというだけ。これが日本一の厳しさ」と話し、集中力と理解力の高さを生かし、少ない時間で明確な目標設定をして練習に励んだチームをたたえた。
選手らは今大会後に引退。キャプテンの松田さんは「優勝を目標にしていたので悔しかったけれど、全力を出せた」と笑顔で振り返る。他の選手らも「結果はついてこなかったけれど、全力を出せたので120点満点」と晴れやかな表情を見せた。