芸術の秋を楽しむ 伏虎義務教育小で生演奏
生演奏に親しみ、情操を育んだり音楽への興味・関心を高めたりすることを目的にした本年度の「小学校を対象としたお出かけ音楽会」が和歌山県内の21校(うち2校は合同開催)で開かれている。
県文化振興事業の一つとして2006年からスタート。県内の小学校をはじめ、幼稚園や保育所、こども園、児童福祉施設などに県出身のプロの演奏家を派遣し、普段ふれることの少ない生演奏に親しむ機会を提供している。
9月30日には和歌山市鷺ノ森南ノ丁の伏義務教育学校で開かれ、5、6年生176人が芸術の秋を堪能した。バイオリン奏者の小倉浩晃さん、コントラバス奏者の小倉充子さん、ピアニストの高山陽子さんからなるグループ「Wa・corda(ワ・コルダ)」が出演し、『花のワルツ』や『愛のワルツ』、『チャルダッシュ』など、児童にも耳なじみのあるようなクラシックの名曲を生演奏した。
演奏の間には、指揮者の体験タイムもあり、各学年から1人ずつ立候補者が舞台に立ち、指揮棒を手に演奏者に指示を与えて全体をまとめていく貴重な経験をした。
児童らはそれぞれの楽器の音色に耳を澄ませ、曲が終わるごとに笑顔で大きな拍手を送った。4年ほど前からピアノを習っているという沼崎杏さん(11)は「ピアノの細かな響きや音色がすごくきれいだった」と目を輝かせ、「バイオリンも習ってみたくなった」と話した。
コントラバス奏者の小倉さんは「ホールとは違い、いつもみんなが過ごしている体育館で友達と一緒に聴くことで、構えることなくリラックスして聴いてもらえるのでは」と笑顔。「みんなの記憶に残って、次のきっかけにつながれば」と期待を込めた。