県内でも栽培「ネクタリン」

前号では東京・六本木で開催された、和歌山県出身者でつくるユニットによる音楽イベントを取り上げた。話を戻し、今週は「ネクタリン」と呼ばれる桃について紹介したい。
ネクタリンの特徴は、表面に産毛がなく、つるつるとしていること。それ故に「油桃(ゆとう・あぶらもも)」と呼ばれることもある。正式な和名は「ズバイモモ」という。
産毛がある一般的な桃と比べ、果肉がしっかりしていることから身崩れがしづらい。食してみると酸味があり甘酸っぱいが、見た目から連想するスモモと違い、香りや味は桃そのものである。酸味があることからヨーグルトを混ぜて食べる方法や、タルトやパイなどにして甘酸っぱさを生かすなど、食し方はさまざま。野菜やハムなどと組み合わせ、サラダにすることもある。食物繊維の含有量が一般的な桃よりも多く、カリウムも豊富に含まれることから、健康志向の方にお薦め。
ネクタリンには「ファンタジア」「秀峰」「秀峰」「黎明(れいめい)」「サマークリスタル」「ファンタジア」という品種があるが、ネクタリンの中で最も栽培面積が広いファンタジアでも30㌶未満であり、まだまだ一般的ではない品種といえる。和歌山県内で収穫され販売されていた黎明という品種は、全国の栽培面積が3㌶程度と希少。
農水省統計によると、ネクタリンの産地の第1位は長野県、2位は福島県、3位は山梨県、4位は青森県、5位は秋田県となっており、東日本での生産が中心。旬は一般的な桃と同じ時期から出回り、品種によっては9月末まで店頭に並ぶことも。
和歌山県内では珍しいネクタリン。一風変わった桃を見つけることができれば、ぜひご賞味いただきたい。(次田尚弘/和歌山市)