力強いドラム響く 瀧さんビッグバンドジャズ

和歌山市のジャズドラマー、瀧益生さん(79)と「和歌山JAZZオーケストラ」によるコンサート「ビッグバンドジャズ」が9日、和歌山市七番丁の和歌山城ホールで開かれ、ジャズの名曲をビッグバンドによる厚みのあるサウンドで届けた。

瀧さんはこの3年間で2度の大病を経験。「生かされていることに感謝し、多くの人と楽しい時間を共有したい」と3年ぶりのコンサートを企画した。アルトサックス奏者の足立衛さんを迎え、トランペット、トロンボーンなど一流のジャズプレーヤー14人でビッグバンドを編成。誰もが一度は耳にしたことがあるデューク・エリントンやカウント・ベイシー、グレン・ミラーらのなじみの曲を演奏した。

司会を務めたフリーアナウンサーの小林睦郎さんは、瀧さんと旧知の仲。「ビッグバンドの演奏を聴ける機会はほとんどなく貴重。懐かしい映画のシーンが目に浮かぶよう」と感動しきりで、名曲が生まれた時代背景をひもときながら紹介した。

ムーンライトセレナーデ、昔はよかったね、イン・ザ・ムード、メモリーズ・オブ・ユーなど、しっとりとした旋律から情熱的でドラマチックな曲まで、時に優雅に、時に軽快に演奏。瀧さんが憧れ、ドラムを始める原点にもなったという石原裕次郎のメドレー演奏では、「嵐を呼ぶ男」のフレーズを歌い上げる一幕もあった。

瀧さんが体調管理のため毎週のように通う、同市小雑賀の高山病院の院長、前沢浩司さん(49)も客席から見守り「迫力があり素晴らしかったです。瀧さんの年齢を感じさせない演奏に、こちらが元気をもらいました」と笑顔で話していた。

 

ダイナミックな演奏を披露する瀧さん(上段左)ら