相次ぐ大量の不法投棄 冷蔵庫など2.5トン

産業廃棄物の不法投棄が後を絶たない和歌山県紀の川市桃山町の山林周辺で13日、一般社団法人県産業資源循環協会(松田美代子会長)の協会員ら約20人が不法投棄巡回パトロールを実施。市内の巡回とごみの撤去作業を行った。約6時間に及んだ作業で古冷蔵庫2台なども回収。関係者は悪質なマナー違反行為に憤りを強めていた。

同協会は、225社の協会関係者で成り立っており、2005年から年3回、高野町の高野山を中心に年間3カ所で巡回を行い、不法投棄廃棄物を撤去するなど、不法投棄防止啓発のための巡回パトロールを実施してきた。ことしは同市の他に和歌山市内を巡り、「わかやまごみゼロ活動」として巡回を実施した。20日には田辺市を巡回する予定。この活動は、県の「県ごみの散乱防止に関する条例」に係る取り組みの一つ。

1年前、投棄現場を目撃した紀の川市民が市に知らせたのがきっかけで不法投棄が発覚。市が現場の状況を確認した上で岩出署に通報した。警察が現場検証を済ませた後、当日の回収作業に至った。

市役所を出発する際には、岸本健市長も駆け付け、「環境美化に向けて無理のないように作業してください」と協会員を見送った。

林道道脇には、大量の木材、冷蔵庫、瓦、ガラス片などあらゆるごみが散乱。地元企業から参加している協会員らは、手渡しで運んだり、木材を足で割ったりなど、午前に撤去作業を約3時間、午後からは約2時間にわたり巡回し、約2・5㌧分のごみを回収した。回収した廃材は、紀の海クリーンセンターに搬入された。

不法投棄は、5年以下の懲役または1000万円以下の罰金に処せられるが、同協会によると、状況は改善されていないという。

市内の山林に捨てられた古冷蔵庫を回収する参加者

市内の山林に捨てられた古冷蔵庫を回収する参加者