壁画アートで明るく 白浜で作家が滞在制作
まちなかの壁を彩るハワイ発祥のストリートアートプロジェクト「JAPAN WALLS in SHIRAHAMA2022」が29日まで、ハワイと姉妹都市で姉妹浜がある和歌山県白浜町で開かれている。期間中、国内外のアーティスト9人が同町に滞在しながら壁画アートを制作。青い海にカラフルな壁画アートが町内を彩り、訪れた人を楽しませている。
JAPAN WALLS実行委員会が主催。アートで観光を盛り上げ、アーティストを支援する目的で、ハワイ在住のジャスパー・ウォン、カメア・ハダーが2011年にオアフ島で始めた。
日本では15年に東京で開催されて以来、沖縄や神戸、岡山で開かれ、白浜では昨年に続き2度目。昨年は町内5カ所で壁画アートを完成させた。ことしは「繋がる、広がる、舞い上がる」をテーマに、ビルやホテルなど9カ所の壁画を描く。
同実行委員会の岡本エミリ委員長(42)は「普段目にすることがない、アーティストの描く工程や道具の使い方など、制作過程を見ることができるのが魅力」と話す。
2人組の絵画作家「GRAVITY FREE」さんは、同町にある飲食店「魚菜慶食 光」の壁画を担当。縦約6㍍×横約10㍍に白浜の海をイメージした絵を描いている。
オレンジ色や緑色などポップな色使いで、楽器を持ち今にも歌い出しそうな鳥の海鵜(ウミウ)に、離れて見ると魚に見えるデザインなどが楽しめる。2人は「海の色味感が伝わればいいな。通る人に楽しんでもらえたら」と話す。
ホテルシーモアに隣接する、同ホテルレジデンスの一部屋の壁を担当した「YOSHI47」さんは、タイルアートで白浜を表現した。害獣をモデルにしたというキャラクターを、1㌢角の白と紺色のタイルを使い、縦約1・5㍍×横約3・5㍍の壁にデザインしている。
他にも、シーモアロビーでは、100組のアーティスト作品が一度に楽しめる原画展「SQUARE SPACES VOL.3」を同時開催。29日には、シーモアで入場無料のクロージングパーティー「WE WANT HAWAII」が正午から開かれ、音楽やフード、ライブペイントなどでハワイへ行ったような気分を味わえる。
岡本さんは「アーティストが心を込めて描いた作品をぜひ見に来てほしい。アートで町が明るくなれば」と笑顔で呼び掛けている。