鳥インフル殺処分 アドベンチャーワールド
和歌山県白浜町のテーマパーク「アドベンチャーワールド」で飼育しているアヒルが高病原性鳥インフルエンザに感染したことが確認され、県は11日、同施設のガチョウやダチョウ、エミューを含む63羽の殺処分を行った。12日までに焼却、施設内の消毒を含む防疫措置を完了する見通し。県内での鳥インフルエンザは、2020年12月に紀の川市の養鶏場で発生して以来、約2年ぶり、3例目。
同施設は10日、アヒル6羽が死に、簡易検査で鳥インフルエンザの疑いが判明したことを公表。11日、県家畜保健衛生所の遺伝子検査で感染が確定し、同日午前9時から県庁で開かれた県の対策本部会議で、仁坂吉伸知事が家畜伝染病予防法に基づく殺処分の命令を出した。
殺処分、焼却されるのは、同施設で飼育している鳥類のうち、同法で「家禽(かきん)」に当たるアヒル35羽(死んだ6羽含む)、ガチョウ13羽、ダチョウ1羽、エミュー14羽。処置は県と同施設の職員で実施する。
同施設は、他県での感染発生を受け、4日から家禽を隔離し、来園者との接触はなかった。鳥インフルエンザが人に感染した事例は、日本国内ではない。
同施設から3㌔圏内では卵や家禽の移動が禁止、3~10㌔圏内では区域外への搬出が禁止され、出入りする畜産関係車両は、同町と上富田町に設けた2カ所の消毒ポイントを使用する。
搬出制限区域は、同施設の防疫措置完了から10日経過後(23日予定)、移動制限区域は21日経過後(12月4日予定)に解除される。
同施設は11日から臨時休園しており、防疫措置完了後、農林水産省、県と協議の上、再開時期が決まる。
対策本部会議で仁坂知事は「昔の(発生事例の)ように大量の職員の動員などは必要ない。速やかに措置を行ってもらいたい」と述べた。