たま駅長の実話描いた絵本 ことし秋に出版へ

2015年に旅立った貴志駅(和歌山県紀の川市貴志川町神戸)の初代駅長「たま」をモデルにした絵本が、秋に出版されることになった。

和歌山電鐵㈱が5日、たま駅長の第16回就任記念催事で発表。貴志川線の同駅で行われた式典には岸本周平知事、岸本健紀の川市長、同社の小嶋光信社長が出席。たまの後継として「たまⅡ世駅長」を襲名し、貴志駅の駅長に就任したニタマ、伊太祈曽駅の駅長兼貴志駅の駅長代行のよんたまも参加した。

同社の小嶋社長が「亡くなってから大明神となったたま駅長も、新しい本が出ることをきっと喜んでいるはず」とあいさつした。

絵本の作者は羽尻利門(はじり・としかど)さん(42)で、兵庫生まれ、京都育ち。おじが和歌山市に住んでいたため、昔から和歌山に縁があるという。これまで県内の図書館や小中学校に配布された絵本を制作し、有田川町で原画展を開いてきた。今回の絵本は、さまざまな資料を集め、綿密な取材や実話をもとに描いた、たま駅長の物語。羽尻さんは「過去の話だけではなく、『たま大明神』として貴志駅ホームのたま神社でニタマとよんたまを見守っているという今の話につなげている」と話した。

羽尻さんは、ニタマとよんたまと小嶋社長に、これまで描いた絵本3冊をプレゼント。小嶋社長は、「ありがとニャー、うれしいニャー」と2匹の思いを代弁した。

自身が手掛けた絵本をニタマに紹介する羽尻さん㊨

自身が手掛けた絵本をニタマに紹介する羽尻さん㊨