文化財を火災から守る 風土記の丘で訓練

26日の「文化財防火デー」を前に、和歌山市岩橋の県立紀伊風土記の丘で24日、市消防局による総合消防訓練が行われた。消防士ら約50人が火災発生時にどう行動するべきかを確認した。

文化財防火デーは、1949年1月26日に法隆寺(奈良県)の金堂壁画が火事で焼損したことを受けて定められた。文化財を火災から保護する消防体制の強化や、市民に対する文化財防火意識の啓発を図ろうと実施。市は今月24日~30日を文化財防火運動推進週間としている。

この日は県立紀伊風土記の丘の自衛消防隊、東消防署の隊員、市消防団の団員が参加。訓練は施設内の旧小早川家(県指定文化財)西側の山林から出火し、西風にあおられ、延焼の危険が生じたという設定。自衛消防団が通報、避難誘導、初期消火をし、消防隊が消火活動を行った。

市消防局の吉野楠哉局長は「迅速かつ連携の取れた行動で、日頃の訓練の成果がいかんなく発揮されていた。有事の際にはこのように関係機関、関係者のみならず、付近住民の方と一緒に対応して、被害を軽減してほしい」と話した。

消火活動をする消防隊員ら

消火活動をする消防隊員ら