4年ぶり増の1472億円 和歌山市23年度予算案
和歌山市は14日、2023年度当初予算案を発表した。一般会計は前年度比2・2%増の1472億6578万円で、4年ぶりの増加。「コロナ禍からの脱却と新たな出発のための予算」と位置付け、保健・救急などの機能を維持しながら、デジタル化や脱炭素など社会環境の変化に対応する編成を行ったとしている。予算案は20日開会の2月定例市議会に提案される。
一般会計に特別会計と公営企業会計を含めた予算総額は、前年度比1・1%増の2863億9611万円となった。
長期化するコロナ禍による社会経済活動や市民生活への影響に加え、自粛生活が習慣化することによる健康活動などへの弊害も出ており、23年度は脱コロナに向けた準備を前に進める。
尾花正啓市長は「オール和歌山市民の力と、隅々まで地域のポテンシャル(潜在力)を引き出すことで、新たな希望を見いだせるような前向きな予算を編成した」と話した。
一般会計歳入
自主財源の構成比は、市債の増加などにより46・6%(前年度47・3%)にやや下がり、依存財源の比率が大きくなっている。
市税は、コロナ禍の落ち着きなどで個人市民税の増加が見込まれることなどから、5億8000万円(1・0%)増の593億円。
繰入金などその他の自主財源は、財政調整基金の繰入額が14億5000万円減ることなどにより、1・5%減の92億9000万円。同基金の残高は、23年度末で141億5000万円を見込む。
依存財源は、地方交付税と、償還が同税で措置される臨時財政対策債の合計が1・6%増の172億9000万円。借金に当たる市債発行額は、借換債や消防施設整備事業債の増加などにより、59・7%増の64億2000万円となる。
地方消費税交付金は10・2%増の91億7000万円。国県支出金は、岡崎団地建て替え事業に充てる公営住宅費補助金、保育士等処遇改善臨時特例交付金の減少などにより、1・8%減の429億7000万円となっている。
一般会計歳出
義務的経費は0・8%増の912億円で、構成比は62・0%。うち人件費は、定年延長による退職者の減少で退職手当が19億3000万円減るなど6・6%減の239億7000万円。扶助費は、障害福祉サービス等給付費や障害児施設給付金の増加などにより1・0%増の490億1000万円。市債の返済などに充てる公債費は、12・1%増と大きく増加し、182億2000万円となっている。
投資的経費は25・2%(14億1000万円)の大幅増で69億9000万円。要因は、高機能消防指令システム等の更新(9億8000万円増)、友ヶ島野奈浦桟橋架け替え工事(5億7000万円増)など。
その他の経費は2・1%増の490億8000万円。増加の要因は、燃料高騰などによる光熱水費が6億5000万円増、農業・漁業集落排水事業が2億4000万円増などとなっている。
特別会計・公営企業会計
特別会計は、国民健康保険事業や介護保険事業、駐車場管理事業など12会計合わせて1・4%減の996億2131万円。公営企業会計は3・8%増の395億901万円となっている。