和歌山企業の技術力 桐蔭、近大中生が学習
世界に誇る地元のものづくりの技術力や情熱を学ぼうと、和歌山市の桐蔭中学校と近畿大学付属和歌山中学校の生徒が共同で同市内の企業を訪問し、理解を深めている。生徒たちはインタビュー内容などをまとめ、市のホームページにデジタルブックとして掲載する予定。
両校の生徒は昨年11月、キャリア教育の一環で、同市七番丁の和歌山城ホールで行われた、県内のものづくり企業の若手経営者でつくる和歌山オープンファクトリー推進委員会(菊井健一会長)主催のイベント「わかやまものづくり文化祭」を訪問。職人らの熱い思いにふれてきた。
さらに学びを深めようと、このほど、両校の3年生約260人(桐蔭中約80人2クラス、近大中約180人5クラス)は県庁や金融機関、ものづくりに関わる企業など県内の25社を訪れた。
このうち、和歌山市中島の精密ロールを製造する㈱吉松工機には、桐蔭中3人、近大和歌山中5人が訪問。吉松敬亨代表取締役が自社の取り組みを紹介し、生徒たちは工場を見学。ロールの芯から温度調整ができる独自の技術を誇る2,3重管水冷温調ロール、ナイフロールなどの同社製品の説明を聞き、ら旋盤加工から溶接、バランシングマシーンによる動バランス調整までの製作工程を見学。年間約5万㌧発生する廃材の再利用についても学んだ。
桐蔭中の榎本帆乃実さん(15)は、「今まで知らなかったことを経験させてもらった」、近大和歌山中の岩尾衛さん(15)は「近場の技術が身近な生活を支えていることに感動した」と話していた。
吉松代表取締役は、和歌山には世界的に知られる企業に製品を納めている会社があるとし、「今回の取り組みでPRしてもらうことはありがたい」と期待を寄せた。