「脱マスク」なるか 緩和に声さまざま
政府が推奨する新型コロナウイルス感染症対策のマスク着用が13日から「個人の判断」となる。約3年間続いたマスク生活に、さまざまな受け止めの声が聞こえる。本紙エリアの各施設や企業では、利用者に着用を求めない一方、従業員は着用を継続するケースも多いようだ。
配達の仕事をする和歌山市の男性(71)は「やっと息苦しさから解放される」と笑顔。5歳の子どもを持つ女性(48)は「幼稚園には着用せず登園させるつもりだが、人ごみではまだ怖くて外せない」と懸念する。
同市梅原の和歌山認定こども園では、3才児から5才児までの園児にマスク着用を求めているが、13日以降は個人の判断に委ねる。一方で、職員のマスク着用は継続する。
同園の林正樹園長は「万が一、保育士が感染してしまうと日常の保育に影響が出るので、予防のために着用する」とし「新型コロナウイルス自体がなくなったわけではない。休園になれば利用者にも迷惑を掛けてしまうので、室内換気や手指消毒など基本的な感染症対策は引き続き行っていく」とする。
コンサートや展示会などが開かれ、年間約40万人が訪れる県民文化会館では、施設側からはマスク着用を求めず、「各主催者の判断に委ねる」とする。検温や手指消毒については引き続き利用者に呼び掛け、従業員のマスク着用は継続する。
接客機会が多いサービス業では、脱マスクに慎重な姿勢がうかがえる。来店者には着用を求めない一方、従業員は着用を続ける方針のところも多い。
紀陽銀行では、行員のマスク着用を続け、来店者は個人の判断とする。同行の担当者は「接客を伴う業務も多く、安心してご利用いただくため」と話し、スーパー大手の㈱オークワも同様の対応をする。
和歌山市と海南市内などを走る和歌山バス㈱も、乗客の判断に委ねる。マスク着用を求める車内アナウンスはせず、混雑の程度は客個別の判断となる。乗務員や従業員はマスク着用を継続し、新型コロナウイルスが「5類」に移行する5月8日以降に再度判断するとしている。