卒業記念のお茶会 直川小6年生が体験
和歌山市の直川小学校6年生の卒業を祝う茶会が9日、同市直川の自治会館和室で開かれた。児童37人は、地域の人が見守る中、慣れない正座と礼儀作法に戸惑いながらも、日本の伝統文化「茶の湯」を体験した。
同地区の民生員らが主催。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、茶会を開くのは3年ぶり。最初に、学年を代表して同校の内畑結菜さんが「貴重な体験をありがとうございます。お茶を知る機会がないので楽しみです」と地域の人らに感謝した。
講師は、開智中学校・高校で茶道部を指導する表千家の遠藤美紀さんと見矢恵里さん。2人は、「畳のへりを踏まない」、「飲む時は、茶わんを手前に2回まわす」など礼儀作法を丁寧に説明。
児童は、目の前で披露される茶道のお点前にくぎ付けに。緊張した面持ちで手を畳につけ、お辞儀をした後、抹茶をじっくりと味わった。
床の間には「一期一会」の掛け軸を飾り、母校を巣立つ子どもたちに「瞬間、瞬間の出会いを大切に」というメッセージを込めた。茶花は紅白のツバキで、卒業の門出を祝った。
参加した中山暁翔さんは「室町時代から続く日本の伝統文化を感じられた」と笑顔。辻井未來依さんは「作法が難しかったが、優しく教えてくれて楽しい時間が過ごせた」とし、後呂ゆりあさんは「(小学校生活最後に)みんなと一緒に体験できる時間をつくってもらい、ありがたく思う」とにっこり。
主催した直川地区民生委員児童委員協議会の浦元紀夫会長は「日本の伝統文化を体験したきょうが、子どもたちにとって良い記念となったらうれしい」と話していた。