友好促進で合意 山東省副省長が知事訪問

和歌山県と友好提携を結んでいる中国・山東省の宋軍継副省長が8日、県庁の岸本周平知事を訪問した。来年の友好提携40周年に向け、両県省が記念行事を共同で企画すること、各分野での交流をさらに促進することなどで合意した。

山東省は中国北東部に位置し、人口は1億人超の国内2位で、昨年のGDPは国内3位と経済規模も大きい。世界遺産「泰山」や黄河の河口、孔子の生誕地など世界的な観光地、文化遺産もある。

両県省は1984年4月に友好提携を締結し、経済、観光、教育など多分野で交流。コロナ禍で人の往来が困難な時期にも、マスクや医療物資の相互支援などを行ってきた。中断していた県から同省への職員派遣も今秋に再開する見込み。

宋副省長は、同省の聊城市長、省副秘書長などを歴任し、昨年12月に副省長に就任。今回の来日では、大阪市で開かれた「第25回中国山東省輸出商品展示商談会」などに出席し、県庁を訪れた。

知事室で宋副省長一行を歓迎した岸本知事は、両県省の交流に加え、自身が財務官僚時代に山東大学で客座教授(非常勤教員)を務めていた経験など同省との縁を紹介し、和やかに歓談した。

宋副省長は、友好提携40周年の記念行事の準備を県と共同で進めること、経済や環境分野での連携強化、人的交流の推進などを提案し、岸本知事の訪中を要請した。

岸本知事は提案に賛意を示し、来年の同省訪問を快諾。県内企業との経済交流などに期待を寄せ、特に青少年交流が重要との考えを伝え、「未来永劫(えいごう)、仲良くするためにも進めていきたい」と述べた。

県庁を訪れた宋副省長㊧と岸本知事

県庁を訪れた宋副省長㊧と岸本知事