激励賞に川本化成 県企業ソムリエ委員会

「和歌山県企業ソムリエ委員会」(会長=島正博・島精機製作所会長)の2022年度の激励賞企業に、和歌山市直川の川本化成㈱(川本淳生代表取締役)が選ばれ、14日、県庁で授賞式が行われた。

同委員会は、次世代の県経済をリードする企業を発掘、育成するために設置。選出された企業には、研究開発、新商品開発、販路開拓、人材導入事業などの費用を補助し、ビジネスプラン実現を支援している。2003年度からこれまでに認定企業は15社、今後の努力により認定が期待される激励賞企業には同社を含め17社が選ばれている。

プラスチック加工会社の川本化成㈱は、軽くて強い特性を持つ「熱可塑性炭素繊維強化プラスチック(CFRTP)」の溶接について、世界初となるCFRTP材の溶接棒とその溶接接合技術を開発。これまで難しいとされてきたCFRTP同士の溶接を確立し、断面を平らにつなげる「突合わせ溶接」などを可能にした。2021年8月に特許を取得。CFRTPは自動車や宇宙開発、ドローンなど幅広い分野で導入が進められ、さらなる市場拡大と成長が見込まれる素材で、同社は今後、国内外での普及を目指している。

授賞式では、島会長が川本代表取締役に表彰状を手渡した。

川本代表取締役(44)は「(自社開発の溶接棒と技術で)今までできなかった大きさや形状、今まで断念してきた設計が実現できる」とし、「CFRTPは、幅広い分野で世界にも広がっている素材。川本化成がその波をつくることで、世界の産業の発展につながると思い、頑張っていきたい」と意気込みを話した。

 

表彰状を手に川本代表取締役(中央)