北高3人が国際大会へ レスリングU17、20

和歌山市市小路の県立和歌山北高校レスリング部の山本海星選手(1年)と松本晃大選手(2年)がU17(17歳以下)、有田英慎選手(3年)がU20(20歳以下)の日本代表に選出された。3選手とも、念願かない初出場となる国際大会を前に「1分、1秒でも長くマットの上で戦いたい」と強い気持ちで練習に励んでいる。

3人は世界大会の出場権を懸けて4月、神奈川県で開かれた「JOCジュニアオリンピックカップ」に挑んだ。

山本選手はU17男子グレコローマン45㌔級に出場。中学ではフリースタイルの種目のみだったため、同種目での出場は初めてだったが、初戦、準決勝ともに8対0で順調に勝ち進んだ。

迎えた決勝戦の相手は、中学時代にフリースタイルで3回戦い、全敗した強豪。2分2ラウンドの試合は、3対0で前半を終え、後半で1点を返したもののあっという間に残り15秒になっていた。

「行くしかない」と覚悟を決め、これまで練習でもしたことのなかった胴タックルでチャンスをつくって相手を投げ、見事逆転に成功。悲願の優勝に思わず涙があふれた。

トルコで開かれるU17世界選手権(7月31日~8月6日)への出場を決め、「ずっと日本代表になりたかったので、1回でも勝って上位を狙いたい」と意気込む。

U17男子フリースタイル110㌔級に出場した松本選手は、3歳でレスリングを始めたが、小学4年の時に辞め、本格的に再開したのは約1年前。「タックルが決まった時の気持ち良さ」に魅了され、練習に励んできた。

今大会で1、2回戦を勝ち進み、準決勝で選抜の優勝選手と対戦。「戦いたいと思っていた相手と対戦できるところまで来られたことがうれしかった」と振り返る。開始直後、ローリングで回され、10対0で試合終了。「やっぱり強かった」と実力差を実感し、「次のインターハイの時には、4分間戦っていい勝負をしたい」とリベンジを誓う。

U17アジア選手権(6月10~18日、キルギス)に向け、トレーニング量を増やし、筋肉量もアップできるよう、体づくりにも力を入れて世界に臨む。

有田選手は、1カ月で7㌔もの減量をして本大会のU20男子グレコローマン60㌔級に出場。過酷な減量のため、初戦は体力が持たず厳しい戦いとなったが、何とか勝利を収めた。

反省を生かした次戦ではテクニカルフォールを決め、8対0で勝利。準決勝でも後半に技を決め、逆転勝ちを果たした。決勝戦は大学生チャンピオンを相手に得点を入れられず、敗退。「実力の差を見せられた」と振り返る。

対戦相手が全員大学生だった今大会では「挑戦者という気持ちで臨んだ」と話し、U20アジア選手権(7月12~20日、ヨルダン)についても「挑戦者という気持ちを強く持って、一戦一戦、戦っていきたい」と意気込んでいる。

同部の三輪大珠顧問(27)は「この大会に向け、全体練習以外の自主練習にも励んだ3選手の努力の結果」とたたえ、「初めての国際大会でメダルを取ってきてもらいたい」とエールを送っている。

 

左から松本選手、山本選手、有田選手