秋満さん迎え ジャズドラマー瀧さんら演奏会

スイング・ジャズピアノの名手として知られる秋満義孝さん(93)を迎えた、和歌山市のジャズドラマー・瀧益生さん(79)らによるコンサートが25日、同市七番丁のダイワロイネットホテル和歌山で開かれ、約200人が胸躍るようなジャズ音楽の魅力を存分に味わった。

瀧さんが7月に80歳を迎えることを記念して開催。瀧さんは秋満さんと30年にわたって交流があり、共演は2017年に開いた瀧さんの音楽生活60周年を記念したコンサート以来。アルトサックス奏者の足立衛さん、瀧さん率いる「グッドマン」のメンバーらが出演した。

あいさつに立った瀧さんは「秋満さんのピアノ演奏を聴き、人生が変わった。『自分が』という演奏スタイルではなく、いかに周囲を生かすかがジャズ音楽だと知った」と振り返った。

ジャズや映画音楽の魅力を味わってもらおうと選曲。フリーアナウンサーの小林睦郎さんが司会を務め、曲の時代背景などをひもときながら紹介した。

『スターダスト』『ひまわり』『慕情』『シャレード』『ムーン・リバー』など、ジャズのスタンダードナンバーや映画音楽の名曲を演奏。秋満さんは優しく繊細な響きから力強い演奏まで、洗練された、いぶし銀の音色を届けた。

瀧さんは、カウント・ベイシーの演奏で知られる「Cute」で、ドラムソロを披露。華やかなメロディーに、軽やかで小気味よいブラシ奏法によるドラムで魅了し、演奏直後「もう帰ろうかと思った。2、3時間休憩が欲しい」とユーモアたっぷりに会場を沸かせた。

また、秋満さんのかつてのグループに所属していたクラリネット奏者の「おい」で、和歌山市議会議員の遠藤富士雄さんがステージに招かれる一幕もあり、遠藤さんは、幼い頃の秋満さんとのつながりや思い出、自身の音楽にまつわるエピソードを紹介した。

瀧さんは「先生のピアノ演奏についていくのが精いっぱい。自分自身、年齢を重ね体の具合も気になりますが、お客さんから『元気をもらった』という声をもらい、また次の目標も湧いてきます」と思いを新たにしていた。

息の合った演奏を届けるメンバー

息の合った演奏を届けるメンバー