造幣局が七宝章牌を贈呈 那智の扇祭り題材
独立行政法人造幣局は、勲章製造の技術を用いて製造しているメダル「七宝章牌(しっぽうしょうはい)」のことしのテーマに熊野那智大社(和歌山県那智勝浦町)の例大祭「那智の扇祭り」を選び、販売を始めている。3日、県に対する章牌の贈呈式が県庁知事室で行われた。
那智の扇祭りは、毎年7月14日に行われ、国の重要無形民俗文化財に指定されている、県を代表する祭りの一つ。十二体の扇みこしが熊野那智大社の別宮である飛瀧(ひろう)神社へ渡御する際、燃え盛る大松明を担いだ氏子らが、火の粉を散らしながら参道を練り歩くことから、「那智の火祭り」とも呼ばれる。
今回の章牌は、七宝の豊かな色彩と熟練の技法により、参道を渡御する扇みこしと大松明の様子を表面に表現。裏面には、祭りで奉納される「那智の田楽」と扇みこし、背景に那智の滝からイメージした滝縞文様をデザインしている。
贈呈式では、造幣局の後藤健二理事長が岸本周平知事に、七宝章牌と、同じく那智の扇祭りをテーマにした貨幣セットを手渡した。
岸本知事は、高い技術で造られた章牌の美しさに感心し、「和歌山にとってありがたい」と那智の扇祭りのテーマ採用を歓迎した。