一球、一打に全力 高校野球和歌山大会開幕

第105回全国高校野球選手権記念和歌山大会が11日、和歌山市毛見の紀三井寺公園野球場で開幕した。28日までの日程で、39校36チームが甲子園出場を懸けて熱戦を繰り広げる。6大会連続で夏の甲子園出場を目指す智弁和歌山は、5日目の第2試合で高野山と対戦。56年ぶりに春を制した市和歌山は、4日目の第2試合で紀北工業と戦う。

開会式の入場行進では、桐蔭高校3年生、硬式野球部マネジャーの横貫仁乃さんが司会を務める中、各出場チームが入場。一塁側から和歌山商業のバトントワリング部を先頭に星林が続き、前年優勝の智弁は最後尾を歩いた。本塁前を通って左翼側から外野を回り、右翼側から整列。大会歌「栄冠は君に輝く」に合わせて、全校同時に内野に向かって行進した。

県高野連の高津亮理事長が開幕を宣言。国旗などの掲揚に続き、智弁の青山達史主将が昨年の大会優勝旗を返還した。

県高野連の中村栄作会長は開会の言葉で、大会歌「栄冠は君に輝く」を作詞した加賀大介さんは、16歳で右足を切断して野球を断念し、野球への思いを若者へのエールとともに、歌詞に込めたことを紹介。「グラウンドに立てる喜びをかみ締め、一球、一打に全力を懸けてほしい。そこに栄冠は輝く」と呼びかけた。

朝日新聞社和歌山総局の西江拓矢総局長は「一瞬一瞬を大切にしながら、練習の成果を発揮するように」などと言葉を贈った。

選手を代表し、慶風の甲斐大樹(だいじゅ)主将(3年)は、「高校野球を支えてくれるすべての人への感謝と、仲間と最後の夏に懸ける気合を白球に込め、練習の成果を発揮し、粉骨砕身の精神でプレーすることをここに誓う」と宣誓した。

出席した岸本周平知事は「コロナで甲子園を目指せなかった先輩の思いを胸に、思う存分に成果を発揮してほしい」と激励した。

この日は和歌山北と紀央館の開幕試合が行われた。アスリート始球式は、箕島高校空手道部の佐原優太朗さん(17)が務め、右打者の内角にノーバウンド投球を披露し、会場を沸かせた。

順調に日程が進めば、20、25、27日を除く15日間の日程で実施。準決勝は26日、決勝は28日を予定している。優勝校は、8月6日に兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する第105回全国高校野球選手権記念大会に県代表として出場する。

 

選手を代表して宣誓する慶風の甲斐主将

 

昨年の優勝旗を返還する智弁の青山主将