聖地で声優トークイベント サマータイムレンダ
人気漫画・アニメ『サマータイムレンダ』の〝聖地〟和歌山市で23日、アニメの主要キャラクターを演じた声優の小西克幸さん(市出身)と永瀬アンナさんを迎えた市主催のトークイベントが開かれた。関西圏を中心に県内外から約600人のファンが和歌山マリーナシティに集まり、制作の舞台裏や作中の名場面などを紹介する2人のトークに聴き入った。
今回のイベントは、作品を通じた全国での盛り上がりを地元でも感じてもらい、夏休みの誘客アップなどにつなげようと企画。主人公の網代慎平と共に戦うヒロイン・小舟潮役の永瀬さん、潮たちの敵役・雁切真砂人を演じた小西さんが、アニメの地元ニュースの場面で出演しているテレビ和歌山の山田みゆきアナウンサーの司会でトークを繰り広げた。
物語の舞台に帰ってきた小西さんと永瀬さんは、会場の「お帰り!」の掛け声に「ただいま!」と応えながら登場。
トークはまず、物語にあふれる和歌山の要素がテーマに。永瀬さんは、加太のよもぎ餅をはじめ、作中に登場する和歌山グルメを味わい、ファンになったことを紹介。グリーンソフトについては「軟らかいのも、硬いのも食べました」との話も飛び出し、地元出身の小西さんは、子どもの頃によく食べた「硬いのが好き」と語った。
登場人物の和歌山弁については、永瀬さんが「大変でした。最初の頃のアフレコはものすごく時間がかかり、泣きながらやりました」と話すと、小西さんは永瀬さんの姿勢を、「落ち込むのではなく、立ち向かう姿が潮のようで、すごかった」とたたえた。
作中のもう一人のヒロイン、潮の妹・澪が話題になると、永瀬さんは、慎平を演じた花江夏樹さんが「澪派」と話したことに、「(慎平と潮は)好き同士だったんじゃないの!」とショックを受けたエピソードを紹介。会場に呼びかけ、潮派、澪派のどちらか手を挙げてもらうと、潮派が多数になり、「めっちゃうれしい。ありがとう」と潮の声で感謝した。
アニメの名場面を振り返りながらのトークでは、小西さんが「良いものをつくろうという覚悟を感じる。これを見せたいというスタッフの思いがあふれている」と、制作陣と声優が力を込めてつくり上げた作品であることを語った。
原作者の田中靖規さんは「いつまでもサマータイムレンダを好きでいてくれて、本当に感謝しかありません」と自筆メッセージを寄せ、会場のスクリーンに映し出されると大きな拍手が起こった。
イベントには、ご当地アイドルグループ「FUN×FAM」、紀美野町のピアニスト・反保沙季さんも出演し、アニメの主題歌、音楽の演奏で会場を盛り上げた。トーク後には、小西さんと永瀬さんのサイン入り色紙などが当たる抽選会も行われた。
小西さんのサイン色紙が当たった静岡県浜松市の会社員、山本亮さん(33)は「名シーンを見ながらキャストの話が聞けて、とても楽しかった。和歌山のことがたくさん入っていると分かったので、もう一度見るときにチェックしたい」と話していた。
【サマータイムレンダ】和歌山市出身の漫画家・田中靖規さん原作のSFサスペンス。友ヶ島をモデルとした「日都ヶ島」で「影」が引き起こす事件の謎に、主人公たちが時間をループしながら挑むストーリー。アニメは世界111カ国で配信され、作品の人気は今も拡大中。ヒロインの小舟潮は2022年3月、同市初のアニメ観光大使に就任し、市のPRにも貢献している。