県都、白浜に同時進出 IT企業のリスポーン

IT企業の㈱Respawn(リスポーン、東京都世田谷区、芳井清彦代表取締役)が和歌山市と白浜町に同時に新オフィスを開設し、同社と県、市、町の4者による進出協定の調印式が21日、県庁知事室で行われた。両市町にはIT企業の進出が相次ぎ、雇用創出やIT人材の育成などの効果がさらに高まることが期待されている。

リスポーンは2016年に設立し、企業にシステム開発などのIT人材を派遣するシステムエンジニアリングサービス(SES)事業、ウェブシステムの開発などを手掛ける。今回が同社初の地方拠点設置となった。

和歌山市では九番丁の九番丁MGビルにSES事業の拠点を、白浜町では才野のOffice Cloud9にシステム開発とワーケーションの拠点を置き、オフィスはすでに6月11日に開設済み。2カ所合わせて3年間で正社員20人(うち地元15人、転入5人)の雇用を予定している。

同社によると、地方出身の社員には、いずれ地元に戻って働くことを希望する声があり、働き方改革の観点からも地方を見据えた事業展開が必要とし、仕事以外の趣味などを楽しめる環境なども考慮し、今回の和歌山進出を決めたという。

調印式では、同社の芳井代表取締役、岸本周平知事、尾花正啓市長、井澗誠町長の4人が協定書に署名した。

芳井代表取締役は、地方での事業展開を検討する中、コロナ禍で仕切り直しになったところに県からの誘致があり、「担当者の熱意や人柄、環境の良さから、早い段階から和歌山にしようと決めていた」と進出の経緯を紹介。

岸本知事は、同社の進出により、両市町へのIT企業の集積が加速することを期待し、「和歌山で起業したいと考えている若い人たちにも刺激を与えていただきたい」と述べ、尾花市長は、エンジニア教育も推進する同社について、IT人材の育成は市としても求めていることで、強力に後押ししていただける」と期待を話した。

協定書を手に(左から)岸本知事、芳井代表取締役、尾花市長、井澗町長

協定書を手に(左から)岸本知事、芳井代表取締役、尾花市長、井澗町長