地震保険普及を 和歌山損保会の久綱新会長
6月30日付で一般社団法人日本損害保険協会(新納啓介会長)近畿支部和歌山損保会の会長に久綱二美恵さん(53・あいおいニッセイ同和損害保険㈱和歌山支店長)が就任した。任期は1年。今後の取り組みへの思いを聞いた。
同協会の使命である国民生活の安定・国民経済の健全な発展に向け、事故や災害などによって生じた損害への補償機能を発揮し、防災・減災の啓発などの取り組みを進めてきた。
本年度特に力を入れたい重点課題として「自然災害対応に向けた啓発」、「リスク情報をより必要とする人々に向けた啓発」を挙げる。
2021年度の損害保険料率算出機構「地震保険都道府県別付帯率の推移」をもとに損保協会がまとめたデータによると、県内の火災保険への地震保険付帯率は70・9%と全国平均の69・0%をやや上回る全国23位。トップの宮城県(88・7%)、南海トラフ巨大地震発生時の被害が予想される高知県(87・8%)と比べると低い。久綱会長は「災害が起こったとき、被災者の生活再建の一助となるのが地震保険。地震保険の一層の普及に力を入れていきたい」と話す。
また、近年の自然災害増加を受け、被災した人の弱みにつけこみ、「うちがサポートすると保険金100万円はもらえる」などと甘い言葉で誘惑し、多額の手数料を取るなど悪質な業者によるトラブルが多発している。
2021年度に消費生活センターに寄せられた相談件数は5年前の約3倍に増加。「被害の発生防止に向け、警察や自治体との関係強化に加え、本年度は国土交通省近畿地方整備局と共同でチラシを作り、官民連携でより広く注意喚起をしていく」としている。
これらの活動に加え、多岐にわたる事故や事件に子どもたちが巻き込まれないよう、自分たちで地域を探索して安全マップを作成する取り組み「ぼうさい探検隊」にも力を入れ、和歌山でもより多くの学校・団体に参加してもらうよう働きかけを行っていく。
久綱会長は2021年4月に同社和歌山支店長に着任。モットーは誰に対しても感謝の気持ちを忘れないこと。「災害へのリスクをしっかりお客さまに伝えて、保険に入っていて良かった、助けられたと思っていただけるように広報、啓発をしていきたい」と意気込んでいる。