光る職人技 グランヴィアに紀州手まり
和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山1階ロビーに31日まで、和歌山伝統の「紀州てまり」が展示されている。
県内の伝統や物産、地域の取り組みなどを紹介し、来館者に楽しんでもらおうと期間限定で展示。
紀州てまりは、「御殿まり」として、紀州藩の姫君らに愛され、童謡「鞠と殿様」に歌われるなど、親しまれ伝承されてきた工芸品。
古くから円満な家庭を築き、丸々とした二世の誕生を祈願する縁起物として、結婚祝いなどに贈る習慣がある。
同市美園町に工房を構える「紀州てまり工房・さゆ紀」、宮脇俊美さんの伝統を生かしつつ、現代感覚を取り入れた模様の「紀州てまり」12点を紹介している。
昔ながらの手法で土台から全て手作業。多彩な色の刺しゅう糸を一針ずつ丁寧に刺し仕上げている。約2年かけて作り上げた鶴や花柄、海柄など、直径約15~30㌢の色鮮やかなオリジナルデザインが楽しめる。
経営企画部経営企画課の中山美佳課長代理は「繊細で温かみのある作品です。近くでじっくりと見てもらえたら」と話している。