全国種苗生産者の集い 県初開催で表彰など
スギやヒノキなどの林業用苗木の生産者による「第7回全苗連生産者の集い」が5日、和歌山県内で初めて、和歌山市七番丁の和歌山城ホールで開かれた。全国から約350人が集まり、青山豊久林野庁長官らが出席する中、品評会の入賞者や功労者の表彰、講演や生産者の報告などが行われた。
全国山林種苗協同組合連合会(大森茂男会長)、県山林種苗協同組合(井内優理事長)が主催。全国には苗木生産者が844事業体、うち県内に20事業体があり、年間約6500万本の全国の苗木生産量のうち、県内で約60万本が生産されている。
表彰を受けたのは、2022年度全国山林苗畑品評会の入賞者32人・団体、23年度山林種苗等生産事業功労者の9人、永年勤続常勤役職員1人で、代表に青山長官、大森会長から賞状と副賞が贈られた。
県内からは、同品評会の林野庁長官賞(コンテナ苗部門)に㈱井内屋種苗園(海南市)、同功労者に同社の井内優代表取締役が選ばれた。
式典で大森会長は「健全な森林を整備するために優良な苗木を安定的に供給していくことが必要」と述べ、井内理事長は「参加者が情報交換し、明日の種苗作りに生かしていきたい」とあいさつ。岸本周平知事、尾花正啓和歌山市長が歓迎の言葉を述べた。
青山長官は、戦後に造成された全国の森林が本格的な利用期を迎えている中、伐採した後に苗木を植え、再造林することが課題であり、業界と一体になった取り組みが不可欠と強調。花粉症対策にも国として道筋をつけていくと述べた。
式典の最後には決議が行われ、再造林に必要な森林整備と苗木生産予算の拡充、後継者育成と外国人材の円滑な雇用推進の支援、花粉の少ない苗木等による再造林を促進する仕組みの創設、苗木生産の元となる種子・穂木の安定供給体制の確立などを国に強く要望した。