「花園」で勝利を ラグビー和工OBが挑む

かつて聖地「花園」を目指し戦った高校ラグビーOBチームによる交流大会「マスターズ花園」が10月7~9日、東大阪市花園ラグビー場で開かれる。和歌山工業高校が県代表として出場。8日午後1時から岩手県の黒沢尻工業高校チームと対戦する。昨年は岐阜県の関商工高校チームと対戦し、10対24で敗れた。一層メンバーの輪を広げ、必ず勝つと誓い、再び40歳から63歳の元ラガーマン50人が集結。決戦に向けて練習に汗を流している。

同校ラグビー部は、ことしで創部76年。24回の全国大会出場を数える強豪チーム。1984年から6大会連続で全国大会出場を果たし、「ラグビーの和工」といわれてきた。

そんな時代にプレーしていたメンバーが、花園ラグビー場第1グラウンドで熱い戦いを繰り広げる。同大会には全国から18チームが出場。前半20分に出場するのは55歳以上、後半30分は40歳~54歳に分けられ、入替選手の再出場可能など特別ルールが設けられている。

今回、和工はチームジャージを新調。魂の継承、絆の文字が書かれている。

選手として出場する和工ラグビー部顧問で元監督の山下弘晃教諭(60)によると、同部は2018年の出場を最後に全国大会に出られず、花園を知る現役選手はいないという。「和工スピリッツがつながるよう、ことしは勝って現役の高校生の励みになるようベストを尽くす」と話している。

同チームの監督を務め、選手としても出場する同校ラグビー部の橋脇正典監督(41)は「前回の悔しさを糧に日々闘志がみなぎってくる」と練習に励んでいる。

練習を見学していた同校ラグビー部の稲垣山風(やませ)さん(18)は「全く衰えを感じない。自分は60代であれだけ走れるかな、すごいなと思った」と尊敬のまなざしで見つめていた。

かつて同校ラグビー部に所属し、高校3年生の時に試合中に脊髄を損傷し、胸から下の感覚を失った同市の廣野昇さん(56)は、当時の背番号3番を付けてチームに参加する。

廣野さんは昨年の大会を花園のスタンドで観戦。「メンバーの熱く、激しい走り、ぶつかりに感動した。ことしは自分も選手登録され、メンバーには本当に感謝している。自分は残念ながらプレーできないが、『和工魂』を持って、自分も出場している気持ちで応援したい」と話している。

 

大会に出場する40~63歳のメンバー