自然博の今後「ゼロから」 移転断念で知事

和歌山県教育委員会が県立自然博物館(海南市)の移転を断念した問題を巡り、岸本周平知事は3日の定例記者会見で、「全くゼロベースで有識者に集まっていただき、検討会を開いて、もう一度考えたらどうだろうかというのが現状と理解している」と述べた。

同館は沿岸部の津波浸水想定区域内にあり、災害リスクや老朽化の問題から同市大野中への移転が計画されていたが、水族館機能の維持に莫大な費用がかかるとして県側が計画を変更。機能維持を求める市との協議が折り合わず、県教委は9月県議会で移転断念を表明した。

岸本知事は、移転計画が白紙に戻ったことを受け、「現状の場所で(継続するかどうか)ということ、施設そのものが必要かどうかも含めて、全く予断を持たずに、有識者に議論いただいたらどうかと思っている」との認識を示した。