高齢者の買い物支援 移動スーパー実験
高齢者など買い物が困難な人を支援しようと、スーパー大手の㈱オークワ(和歌山市中島、大桑弘嗣代表取締役社長)はトヨタカローラ和歌山㈱(同市和歌浦、西川直人代表取締役社長)らと共同で、移動スーパーの実証実験を始めた。12日には、同市小雑賀のオークワセントラルシティ和歌山店で出発式が行われ、関係者が見守る中、野菜や総菜、菓子など約200種類を積み込んだ販売車が出発。買い物を楽しみに待つ各地域の住民のもとへ向かった。
今回の取り組みは、地域共創型プロジェクト「このまち市場」と題し、地元スーパーのオークワが自社店舗で集計するデータをもとに商品を厳選し、地元自動車販売店のトヨタカローラ和歌山が車両とドライバーを提供する。さらにトヨタグループなどのマーケティング・コンサルティング事業を行うトヨタ・コニック・プロ㈱が参加して、買い物支援にとどまらず多くの人が集まることでその地域の新たなコミュニティー形成を目指す。同社が関わる地域共創型の試みとしては、今回が全国初となる。
移動スーパーの対象地区は市内の吹上、高松、和歌浦、名草、安原、西山東、東山東地区。トヨタの大型ワンボックスカー・ハイエースを使うことで初期投資を抑えられ、可搬式の冷凍冷蔵機など、トヨタグループの製品もセットされている。
オークワの責任者で店舗サポート部お客様相談室課長の東山和典さん(66)は「地元スーパーとして、ネットスーパーをしない人や高齢者など買い物が困難な方たちを何とか助けたい。期待して毎回来てもらえるように、生の声を反映していきたい」と意気込みを語った。
この日は市内の6カ所を巡廻。このうち、名草地区で野菜や総菜を購入した紀三井寺に住む梶川真知子さん(74)は「どんな物があるかとても楽しみで来た。普段そんなに買い物に行けないのでとても助かるし、ずっと続いてほしい。買いたい物を店員に伝えることができてうれしかった」と、他の買い物客らとおしゃべりを楽しむ様子も見られた。
実証期間は今月末まで行われ、来年春の運用開始を目指している。