紀州の民話を音楽劇に 11月城ホールで公演

紀州に伝わる民話を基にした音楽劇「紀州のタヌキと四国のキツネのとんでも国替え物語」が11月3日午後2時から、和歌山市の和歌山城ホールで開かれる。

「紀州の民話をオペラに実行委員会」が主催。脚本と演出、総合プロデュースを手掛けた同市の杉山みかんさんは「戦争に翻弄(ほんろう)される争いの愚かさを紀州のタヌキと四国のキツネで擬人化。いま世界で巻き起こる紛争への一矢の思いも込めた」と話している。

時は戦国時代、秀吉の紀州攻めは根来粉河に始まり、加太浦にまで及んだ。加太に逃げてきたタヌキとキツネの攻防戦を描いている。

冒頭には、同市加太の「えび祭り」で加太春日神社に奉納される向丁獅子舞が登場。伊原木幸馬さん(テノール)演じる四国の霊山石鎚山を守る大天狗と、福嶋勲さん(バリトン)演じる加太浦の民と仲良く暮らすタヌキの統領が圧巻の二重奏を披露する。タヌキとキツネの鼓合戦のダンスや、串本町出身で演歌歌手の小芝陽子さんはタヌキの女親分を演じ、杜甫の「春望」を吟じるなど、見どころ満載の舞台となっている。

チケットは前売り3500円、当日4000円、学生1500円。同館や県民文化会館、チケットぴあなどで販売している。問い合わせは杉山さん(℡090・8521・8563)。

 

本番に向け稽古に熱が入るメンバー(実行委員会提供)