南葵音楽文庫テーマ 長保寺でコンサート

紀州徳川家の菩提寺である和歌山県海南市下津町上の国宝・長保寺(瑞樹正哲住職)の徳川家御霊殿(通称おたまや)で11月3日、十夜会の法要が執り行われる。法要後には奉納演奏「御霊屋コンサート」を開催。同寺に10年前に嫁いできたソプラノ歌手の瑞樹比美香さん(36)がクラシックを披露する。

10回目を迎えることしのテーマは、徳川頼貞の南葵音楽文庫。紀州徳川家第16代当主・徳川頼貞は、日本で初めて本格的音楽ホール「南葵楽堂」を建て、2万点を超える貴重な楽譜や音楽資料を所蔵する南葵音楽文庫を創設するなど、「音楽の殿様」と呼ばれていた。今回、演奏するのは全て南葵音楽文庫に関する曲。同文庫所蔵の貴重な楽譜を演奏とともに解説付きで紹介する。

ピアノと解説は香川紀恵さん。演奏曲目は、ワインガルトナー作曲『日本の歌』(ドイツ歌曲)、オペレッタ『ダラープリンセス』より、「埴生の宿」、オペラ『トスカ』より「歌に生き、愛に生き」。最後は全員で「ふるさと」を合唱する。

十夜会の法要は午後2時から。コンサートは午後3時から。入場無料。満席の場合は立ち見となる。問い合わせは長保寺(℡073・492・1030)。

同寺は6月の豪雨で本堂の裏山斜面で土砂崩れが発生し、周辺は泥に覆われた状態。復旧のめどは立たず現在も拝観できない状態となっている。会場には境内復旧のための義援金箱を設置する。

 

昨年の御霊屋コンサート(瑞樹さん提供)