不登校の悩みに寄り添う 東尾真紀子さん

元養護教諭の東尾真紀子さん(65)=和歌山市=は、不登校や引きこもりの子どもを持つ保護者の悩みに向き合い、相談を受ける「オンライン心の安全基地サロンcowill(コーウィル)」を開き、保護者が子どもに寄り添えるようになるための手助けを行っている。

東尾さんは、県立桐蔭中学校をはじめ小中学校、中高一貫校の計10校で40年間にわたって養護教諭を務め、100人以上の保護者や子どもの相談に対応してきた。その経験を生かし、2021年10月にコーウィルを開業。現在は、主に小学生から高校生の不登校の子どもを持つ保護者を対象に相談を受けている。
相談の大半は、不登校になり始めた子どもの保護者からといい、子どもとの信頼関係や、子どもが不登校になったことによる家庭の雰囲気に関する相談などが多いという。

東尾さんは、保護者が子どもについて安心し、落ち着いて話せる場とすることを大切にしている。否定をせず、子どもの状態や将来像をじっくりと聞き、休養の必要性や学校外での学びなどを紹介。子どもが自己実現できるようになることを目指し、保護者が子どもに寄り添うために、今すべきことを伝えている。

文部科学省の調査によると、22年度に確認された全国の不登校の小中学生は過去最多の29万9048人。不登校に関する問題は深刻化している。

東尾さんは、不登校の子どもに対しては、子どもの身近にいて、よく理解している保護者のサポートが重要だと言い、「救いの手はたくさんある。一人で悩まないで、まずは誰かに相談してほしい」と話している。

無料体験相談も可能。相談や問い合わせは電話(℡090・9093・5872)か、ホームページ

 

オンラインで相談に応じる東尾さん(本人提供)