市高に照明設備完成 小園・松川の寄付活用
今夏の甲子園に出場した和歌山市立和歌山高校野球部(同市六十谷)のグラウンドに2基の照明設備が完成した。昨年3月に同校を卒業した現役プロ野球選手、横浜DeNAベイスターズの小園健太選手(20)と千葉ロッテマリーンズの松川虎生選手(20)が各400万円を同市に寄付し実現した。
照明設備は一塁側と三塁側に各1基。高さは約10㍍で各4灯の照明が付いている。本塁周辺は従来の3~5倍の300ルクス以上と最も明るく、夜間のバッティング練習や定位置での内野ノックなど、より実戦的な練習が可能になった。
総工費は867万1300円。両選手は昨年12月に計800万円を寄付し、ことし1月4日には市役所を訪問。半田真一監督(43)と相談の上で照明設備の設置を決めた。工事は6月30日に始まり、10月27日に完成した。以降、部員らが練習をする中で意見を出し合い、照明の角度などを調整した。
11月29日には完成式典がグラウンドで行われ、半田監督や部員46人らの他、尾花正啓市長が出席。両選手の現在のレプリカユニホームも飾られた。尾花市長の合図で点灯し、グラウンドは拍手で包まれた。
両選手のメッセージも代読された。小園選手は「母校の後輩が頑張っている知らせは、僕たちにとっても大変励みになる。設備の充実とともに日々の練習にしっかり取り組み、甲子園を目指して頑張って」と、松川選手は「明るい所でもっともっと練習して頑張って。毎年甲子園に行くようなチームになってくれることを願っている」と後輩たちにエールを送った。
宇治田隼士主将(17)は両選手を尊敬し、「(両選手への)感謝の気持ちを忘れずに日々の練習に取り組み、甲子園でプレーをしている姿を見せたい」と意気込んだ。半田監督は「本当に感謝しかない。2人の気持ちに応えられるように、より強いチームになって恩返しをしたい」と話した。
尾花市長は始球式も行い、「小園選手、松川選手の母校愛をしっかりと受け止めて受け継いでほしい」と部員らに呼びかけた。
設備には、両選手の名前入りプレートが付けられている。