エレクトーン全国大会へ 宮小の佐藤柚月さん
服部楽器ふじと台センター(和歌山市中)に通う宮小学校6年生の佐藤柚月さん(12)が、大阪市で開かれた「ヤマハエレクトーンフェスティバル2023セミファイナル」の西日本大会(㈱ヤマハミュージックジャパン主催)で金賞に輝いた。西日本代表として来年1月の全国大会「グランドファイナル」に出場する。佐藤さんは初めての全国大会出場を喜び、「大勢の人の前で演奏できるのが楽しみ」と、全国1位を目指し練習に励んでいる。
同フェスティバルは子どもから大人までを対象に、日頃の学習成果披露、演奏力、音楽力向上を目的としたコンペティションとして開催。ソロとアンサンブル演奏があり、小学生低学年部門、同高学年部門、中学生部門、一般部門に分かれて競う。演奏する曲目はクラシックやオリジナルなど自由。
佐藤さんは、ソロ演奏の小学生高学年部門に自身で作った曲で出場した。
ヤマハ特約楽器店ごとに開かれる特約店大会(4月)、同大会から選出された演奏者による和歌山地区大会(7月)を突破し、セミファイナル(10月)に出場。近畿、四国、沖縄などの代表46人が参加する西日本エリアで金賞に輝き、グランドファイナルの出場資格を得た。
佐藤さんは、音楽が好きな両親の勧めで4歳から教室に通い始めた。小学2年生の時、初めて同フェスティバルに挑戦し特約店大会で銀賞、次の年は金賞を獲得し「もっと上を狙いたい」と練習を重ねてきた。現在は週2回のレッスンの他、帰宅後に宿題を終えてから2時間半、休日は4時間ほど練習している。
佐藤さんを教える講師の神尾美弥さん(35)は「感受性が豊かで、練習熱心で努力家。大会の前に家でうまく曲に感情を込められず『どうしていいか分からない』と泣きながら電話がかかってくることもある」という。
佐藤さんは「友達と遊びたくて練習が嫌になることもあるけど、エレクトーンはいろんな楽器の音が出せて、自分が指揮者になったつもりで1人でオーケストラができるところが面白い」と笑顔。
グランドファイナルでは、全国各地から選ばれた13人と海外の選考者が演奏を披露する。
佐藤さんは柚月という自身の名前から、月をイメージした曲を作った。「冷たくてツンツンしたところがあるけど、たまにあたたかくなる」という激しさと穏かさが入り混じった音楽に仕上げた。「自分で作った曲なので感情を乗せやすい。緊張するけど曲の魅力が伝わるように精いっぱい演奏したい。冬休みはどこにも出かけず練習します」と意気込んでいる。月のクレーターが波のように見えることから、ステージでは海をモチーフにしたブルーのドレスで演奏する。佐藤さんの将来の夢は「エレクトーンプレイヤー」という。
同教室では「県内から全国大会の出場者が出るのは10年ぶり」と喜び、母・依利さん(40)は「自信を持って全国大会に臨み、いい笑顔が見たい」と応援している。