葡萄と柑橘が融合「ホットワイン」

ことしも残すところ1週間。ちまたではクリスマスマーケットが開催されるなど、季節を彩るイベントが行われている。
クリスマスマーケットに欠かせない存在であるのが「ホットワイン」。「グリューワイン」あるいは「温葡萄酒」とも呼ばれ、ヨーロッパのクリスマスに欠かせない飲み物とされている。今週は、ホットワインの歴史や文化、家庭での作り方を紹介したい。
ホットワインは赤ワインをベースに、オレンジやレモンなどのかんきつと蜂蜜、シナモンなどの香辛料を加え、沸騰させないよう気を付けながら火にかけて温める。
歴史は古代ローマ時代にさかのぼり、見た目の美しさはもちろん、胃の消化を助ける効果があり、ローマ帝国の拡大とともにヨーロッパ全体に広がった。体を温めるのに最適な飲み物とされ、家庭に限らず、屋外でのイベントでも楽しめる冬の風物詩として親しまれている。
作り方は簡単。今回は国産の赤ワインに、旬を迎えた和歌山県産の温州ミカンの果汁を使ってみた。まず、耐熱のグラスもしくはマグカップに、赤ワインを100㍉㍑、みかん果汁を50㍉㍑、蜂蜜を小さじ1杯入れ、500㍗の電子レンジで1分間加熱する。いったん取り出し、蜂蜜が溶けるようスプーンでかき混ぜ、さらに30秒加熱する。仕上げにシナモンパウダーを振りかければ出来上がり。
芳醇(ほうじゅん)なブドウの味わいと、ミカンの風味がマッチし、そこへ鼻に抜けるシナモンの香りが加わり、飲みやすく、体がぽかぽかしてくる。加温により少しはアルコールが抜けるようだが、あくまでもお酒。自動車を運転する可能性がある場合や、子どもには飲ませないよう注意が必要。
クリスマスイブ。ご家庭で気軽に楽しめるホットワインを作ってみては。
(次田尚弘/和歌山市)