バッグ拾ってくれた高校生に感謝 永井さん
「どうしてもお礼の気持ちを伝えたい」と、和歌山市の竹内功さん(83)から、わかやま新報に届いた一通のファクス。そこには「友人がかばんをなくしたが、警察に落とし物として届いていた」「お礼をしたくても、名前も住所も分からない」といった内容が書かれてありました。
落とし物をした竹内さんの同級生、同市の永井純子さん(83)に詳しく話を聞きました。
永井さんは今月10日、関西空港で海外に行く友人を見送った後、バスでJR和歌山駅に戻り、東口で竹内さんと待ち合わせ。車に乗ってすぐにバッグがないことに気付き、大慌てしたという。
バッグには財布、カード、保険証、病院の診察券、ペースメーカー手帳など、なくては困る、生活に必要な物全てが入っていたそう。来た道を戻り、心当たりの場所を探しても見つからず、諦めて「紛失届けを出そう」と交番に行った。するとバッグが届けられており、ちょうど警察官が中身をチェックしているところだった。永井さんは「とにかくうれしかった」と振り返る。
心から感謝し、どうしてもお礼がしたいと警察官に伝えると、届けてくれたのは女子高校生で、親に連絡をしたところ、お礼は辞退したいとのこと。しかし、2人は、お礼を伝えたい気持ちが収まらず、本紙に思いを寄せたという。
永井さんは「私の大切なバッグをそのまま届けてくれて、本当に助かりました。何もできず心苦しいですが、親切ですてきな若者に本当に感謝しています」と話している。