デザインで思い伝える 市高の卒業制作展
和歌山市六十谷の市立和歌山高校デザイン表現科の卒業制作展が、同市小松原通の県民文化会館大、中、小展示室と特設展示室で22日まで開かれている。
同科3年生39人の作品を中心に、1、2年も加わり、約120人が出展。「わくわく どきどき を、きみと」のテーマで、平面作品や立体物、動画といったデジタル作品など1000点以上を見ることができる。
大展示室には、壁面に3年生の個人作品を展示。生徒自画像と、それぞれが伝えたい思いを1年かけて絵や立体に表し、個性あふれる世界観をつくり上げている。段ボールで木々を作り、国語の教科書に出てくる物語の「響く一言」を書いた「MORI」や、普段自由には押せないスイッチを気ままに押してもらおうと、たくさんのスイッチをさまざまな高さに配置した「スイッチームⅡ」などの共同制作もある。
憧れのキャラクターの絵画などを制作した3年の野本胡桃さん(17)は、「『美術=カワイイ』という思いを表した。独り善がりになってないか、先生の駄目出しがあり、何度も描き直した。見た人に伝わるとうれしい」と話した。中学2年の時に、同展を訪れたことがきっかけで入学したという3年の赤部凛さん(18)は、「入学前にここで作品を見て感動したのと同じように、入学したいと思ってもらえるような影響を与えられる作品になったらいい」と話した。
中展示室には1、2年生の作品、特設展示室には3年生の意見広告を展示。小展示室では美術部、写真部、書道部による「市高展」も開かれている。
美術科の飯村浩晃教諭は「デザインはアートと違い、何をどのように見せるか伝えることが大切。人と人とのつながりあってこそ。楽しいだけでは駄目で、テーマに沿い、苦労しながらやっと形になった。ぜひ見てください」と呼びかけている。
午前9時半から午後4時半(最終日は正午)まで。問い合わせは同館(℡073・436・1331)。