白浜との定期便を 韓国総領事が県議会訪問
韓国の金亨駿(キム・ヒョンジュン)駐大阪総領事が2日、和歌山県議会の濱口太史議長と、日韓親善議員連盟の山下直也会長ら役員6人を表敬訪問した。韓国と和歌山の交流推進、友好関係の発展に向けて活発に意見交換し、白浜と韓国を定期便で結ぶ構想も話題となった。
金氏は、慶應大学商学部を卒業し、大和ハウスグループの大和リゾート㈱韓国支社長、福井県立大学地域経済研究所客員研究員などを務めた経験もある日本通で、2022年9月から駐大阪総領事を務めている。
県議会で濱口議長らの歓迎を受けた金総領事は、通訳を介さず、流ちょうな日本語で交流。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の下、韓国政府が、日本駐在の大使と総領事には、日本を知り、日本語で日本側と話ができる人物を任命し、日韓関係を重視する強い意思を示していることを紹介した上で、「交流の活性化が大事だと考えている。皆さんが求めていることを、忌憚(きたん)なくおっしゃっていただきたい」と呼びかけた。
山下会長は、3日から計4往復の運航を予定している仁川国際空港から南紀白浜空港(熊野白浜リゾート空港)への国際チャーター便や、昨年9月に県と釜山広域市がワーケーションの普及と促進に関する覚書を締結したことなど、和歌山と韓国の最近の交流の実績にふれ、「県にとっても県議会にとってもうれしいこと。今後も親しくお付き合いし、お互いに発展していきたい」と述べた。
白浜へのチャーター便が話題の中心となり、金総領事は、天然温泉やゴルフ場など韓国人に人気の観光資源が周辺にある白浜へのチャーター便運航は大きな意味があり、今後さらに多くの韓国人観光客の来訪が見込めるとし、「定期便になるように努力したい」と話した。
一方で金総領事は、日本を訪れる韓国人が約700万人に対し、韓国を訪れる日本人は3分の1程度にとどまっていることを紹介し、現状では韓国から白浜への便の乗客は確保できても、帰りの便の採算が難しいことを指摘。日本から韓国への観光客が増えることを望んだ。
県議から和歌山への誘客のための意見を求められると、韓国では和歌山の食べ物があまり知られていないことを挙げ、クエ料理、和歌山ラーメンなどを例に、積極的なPRを呼びかけた。
意見交換の中で、県議からは、議連として釜山を訪問しようという声も上がり、交流の促進へ双方が協力していくことなどを確認した。