お城を背景に野外劇 第20回孫市まつり盛況
今回で20回目となる「孫市まつり」が17日、和歌山市の和歌山城西ノ丸広場を主会場に開かれ、小雨が降る中、家族連れらが恒例となった武者行列や野外劇を楽しんだ。戦国時代の鉄砲集団「雑賀衆」を率いた雑賀孫市にちなんだ祭りで、市民団体・孫市の会(森下幸生会長)が主催。
「雑賀孫市は和歌山の宝」をスローガンに、和歌山市駅周辺が雑賀衆の本拠地であったことを広く知ってもらい、にぎわい創出につなげようと2005年に始まった。
今回は「孫市まつりは20周年! 集え和歌山城西の丸へ!新しい歴史を刻め!」をテーマに開いた。武者行列は、雑賀衆の本拠地だった本願寺鷺森別院を出発。勇ましい甲冑(かっちゅう)姿の雑賀衆や、県内外の約20団体が市駅周辺を練り歩き和歌山城へ。ほら貝を響かせながら城内を闊歩(かっぽ)し、西ノ丸広場に集合した。
20周年を記念し、鉄砲隊が火縄銃で祝砲を放つと、そのごう音に観客は驚きの声を上げた。
見どころの一つは「蘇れ孫市!信長を撃て!!」と題した野外劇。雑賀孫市役を田辺市出身の俳優小西博之さん、織田信長役を由良町出身のシンガー・ソングライター藪下将人さんが演じ、十万の信長軍を三千の孫市軍が迎え撃つ展開を迫真の演技で見せ、会場を沸かせた。
藪下さんは「演技は初めての経験で緊張したけど楽しめた」とにっこり。小西さんは「火縄銃の迫力に驚いた。県の観光大使、ふるさと大使として皆さんと一緒に祭りを盛り上げることができてうれしい。和歌山城を舞台にした暴れん坊将軍も演じてみたい」と話していた。
その他、紀州雑賀鉄砲衆、彦根鉄砲隊、丹波亀山鉄炮隊、堺火縄銃保存会による鉄砲の演武、和太鼓演奏や踊り、音楽ライブなどがあり、会場は終日多くの人でにぎわった。