サイン+サンクス運動 推進校を指定
横断歩道を渡る時は手を上げてドライバーに合図を送り、渡り終えたら会釈などで感謝の気持ちを伝える「サイン+(プラス)サンクス運動」。登下校中に起こり得る横断歩道中の事故から児童を守るため、同運動の周知を図ろうと、和歌山県と県警は本年度、新たに県内で15の小学校を推進校に選んだ。
日本自動車連盟(JAF)の調査によると、信号機のない横断歩道における車の一時停止率が、和歌山県は2022年が22・5%で全国ワースト2位。23年は30・1%でワースト8位だが、全国平均より依然として低い。県警本部によると、信号のない横断歩道での県内の交通事故件数は昨年が14件、ことしは1~3月で5件発生し、うち1件は死亡者の出る重大事故となった。
22年7月に県と県警が同運動を始め、県内18の小学校を推進校に選定、昨年度は31校が追加された。
本年度の推進校は、本紙エリアでは和歌山市立新南小学校、楠見東小学校、和歌山大学付属小学校、岩出市立上岩出小学校、海南市立巽小学校の5校。
推進校の一つ、和歌山市木広町の新南小学校で15日、推進校の指定式が行われ、和歌山東署の永井泰文署長が全校児童の前で同運動を説明し、「皆さんから、周りの人や家族にこの運動を話し、広めてほしい」とあいさつ、嶋田弘人校長に指定書を交付した。県民生活課の加藤良隆課長や、県警マスコットのきしゅう君、県PRキャラクターのきいちゃんが、のぼり旗や啓発グッズを児童に贈呈。児童を代表して6年B組の折戸詩さん(11)が「新南小学校の児童は、交通ルールを守り、横断歩道で手を上げ、止まってくれた車に『ありがとう』の気持ちを伝えることを約束します」と宣誓した。
同署の東谷潤交通課長調査官は「本来止まるべき側のドライバーの意識向上につながれば。この運動を学校単位でしっかり行っていただき、家族にも伝えてもらって一件でも事故を減らしたい」と話した。
折戸さんは「1年生と一緒に取り組みます。お手本として手を上げ、みんなが事故に遭わないようにしたい」、同じくA組の有田悠生さん(11)は「(学校周辺では)結構車が止まってくれるので『ありがとう』と頭を下げて言っています」と笑顔で話した。