各地ゆかりの和歌も 青潮書道会全国展

和歌山市の書家、故・天石東村(あまいし・とうそん)氏を中心に発足した青潮書道会が主催する「第46回全国展」が18日、同市の和歌山城ホール(七番丁)、県民文化会館(小松原通)、県書道資料館(西汀丁)で始まった。21日まで。大阪会場の改築のため、ここ3年は和歌山で開いてきたが、和歌山開催は今回が最後となる。

聖武天皇が和歌の浦を行幸してことしで1300年を迎えるのに合わせ、同ホールでは、審査会員100人が、北海道から鹿児島まで、それぞれの出身地にゆかりのある和歌の書が並び、依嘱会員による優秀作品もある。一般公募作品や、幼児から大学生までのコンクール優秀作品なども合わせ、3施設に約800点が並ぶ。

18日、同ホールであった開幕式には、松村博峰理事長や糸見溪南会長、玉津島神社の遠北喜美代権禰宜、和歌の聖地・和歌の浦誕生1300年記念大祭実行委員会の中山勝裕委員長らが出席。松村理事長が「和歌の文化を守り抜く精神が1300年を隔てた今も生きている。その精神と、聖武天皇が願った平和への思いを未来につないでいきたい」とあいさつした。

審査会員で橋本市出身の靜一華さんの作品は、与謝野晶子が高野山で詠んだ歌。「与謝野晶子が好きで、高野山の星の美しさを表す感動的な言葉に心引かれた。高野山は昔、天石先生と練習会をした思い出の地」と話した。また、同展の審査会で最高賞に輝いた和歌山市松江北の依嘱会員、木久琴さんの作品は、中国明代末期の書家・傅山を基調にして書いた40字の古詩。木さんは「常日頃、傅山に憧れ練習している。(受賞は)夢のようでびっくりしました」と話した。

会期中、同ホール4階では能登半島地震被災地へのチャリティーイベントとして、オリジナルトートバッグ制作コーナーも設けられている。参加費500円。

午前10時から午後5時(最終日は4時)まで。問い合わせは同ホール(℡073・432・1212)。

 

鑑賞する来場者ら(和歌山城ホールで)