賃金・雇用の現場視察 矢田補佐官が和市で

賃金・雇用を担当する矢田稚子(わかこ)首相補佐官が19日、和歌山市内の企業3社を視察した。

矢田氏は昨年9月から首相補佐官を務め、賃金・雇用に関する政策に反映するため全国を訪れており、和歌山が21カ所目。今回は、セイカ㈱(南汀丁)、㈱鳥羽運送(直川)、菱岡工業㈱(中島)を訪問した。

菱岡工業では、女性従業員の活躍や障害者雇用に積極的に取り組んでいることなどの説明を受け、電気機器・制御機器に使用する電線の束「ハーネス」の加工ラインや、社内に設置している保育園などを視察した。

岡田亜紀代表取締役は、現在の障害者雇用の制度では大きな賃金格差が生じ、より平均的に収入が上がる仕組みをつくる必要があることなどを訴えた。

視察後、報道陣の取材に応じた矢田氏は、技術力をアップし、新しいことに挑戦する中で企業の付加価値を上げる取り組み、運送業の2024年問題に対する厳しい指摘、ものづくりを基盤にした多角的な経営など、各社からさまざまな学びがあったとした上で、「共通して言えることは、経営力を高めていく根幹は人であり、どの会社も人に対して投資し、やる気と能力、可能性を引き出している」と述べた。